Departure ~旅立つひとと見送る側と~

10月。まだ日中は暑いくらいの秋のお日和が続いていた頃。わたくしは縁あって、新たな場所にほぼ毎日通わせていただくことになりました。7月末に、それまでお世話になっておりました「最後の派遣先様」を終了させていただいて2ヶ月ばかり。9月に精神的にかなり追い詰められてしまったわたくしは、このままでは本当に駄目になる! と大きな危機感を抱き、10月から、ある場所にお世話になることにしたのです。そして、その場所で思いがけず、大変よい出逢いに恵まれ、日に日に生きる力を取り戻してゆくこととなりました。今日までのかけがえのない日々、今ご一緒させていただいている方々の暖かさに触れて、本当に心癒され、励まされ。心からの笑顔が増え、楽しい時間を過ごさせていただいてまいりました。
今日は、今までご一緒させていただいた方のおひとりが新たな旅立ちをお迎えになりました。泣き虫のわたくしは涙、涙で「さようなら」を申し上げ。生きることをあきらめそうになっていたわたくしに、この方はどれほど「暖かなよきもの」を与えてくださったことか。そのご恩に心からの感謝を申し上げ、最後はお姿が見えなくなるまで、ひとり手を振り続けたのでした。今日お見送りさせていただいた方は、わたくしにとって、「命の恩人」のおひとりです。大袈裟でもなんでもなく。
9月、わたくしは本当にかなしくてたまらなくて、もはやこれまで……!! と、本気で、どうやったら楽に死ねるかを考えていたのでした。それほどまでに追い詰められ、どうしたらよいのかわからず、気が狂いそうでした。でも、幸い――昨年の秋、5500年の時を越えて、再びめぐり逢えた方と、浜松でとても素敵な一日をご一緒させていただいたこともあり、そして、この方がかつて何度かご一緒した過去世で、わたくしのことを本当に心から信じてくださっていたこともあり――、なんとか「踏みとどまることが出来た」のです。この方と9月にご一緒させていただかなかったら、わたくしはどうなっていたことでしょう? 貴重な尊いご縁に心から感謝申し上げます。
そして、10月よりある場所に定期的に通わせていただくことになって――、本当に大変ありがたいことに、ご一緒してくださる方々が本当に暖かくお優しい方々ばかりでしたので、わたくしは日を重ねる毎に、9月のつらさを徐々にやわらげてゆくことが出来たのでした。他愛もないお話を笑顔で、そして、安心してさせていただける。そんなひとさまとのふれあいを渇望してやまなかったわたくしは、皆様の暖かさに触れ、本当に心からうれしく、ありがたい思いでいっぱいになっておりました。今、この記事を書いているこの瞬間も、本当にありがたく、つくづく幸せなことだと心から思います。つい2ヶ月前はとんでもなく暗くつめたい場所にひとりおりましたのに。おひととはなんと暖かく尊いご存在なのでしょう。暖かく穏やかな、微笑みを交わし合える会話にひたすら飢えていたわたくしにとって、皆様との時間がどれほど貴重な「アムリタのごときもの」であったことか。それはそのまま、今度は暖かな涙となって、わたくしの心をひたひたと潤してゆくのでした。
今日お見送りさせていただいた方は大変頭のよい方で、いつも「ゆっくり、のんびりさん」なわたくしをいろいろな形でサポートしてくださいました。クールビューティーさんで、大人になられてからご自分の夢を叶えられた努力家さんです。歳だけは上のわたくしがいつもまごまごおろおろする度に、暖かく励まし、穏やかに導いてくださいました。いつもご一緒させていただけるだけで、大変安心出来る、心強い方でいらっしゃいました。
そうこうしているうちに、間もなくわたくしも今の場所を「卒業」させていただくことになります。別れはいつも切なく、「さよなら」の瞬間に、それまでいただいた全ての時間が燦然と輝き、またひとつ暖かな思い出へと変わってゆきます。わたくしもやがてはここ(滋賀)を去る身。家族やお友達たちと離れてゆくのは寂しいし、切ないけれど、わたくしには叶えたい夢があるから。前に進むためには「さよなら」を重ねてゆかないと。何事も、必ず、いつかは終わりが来るのですから。だから、切なさに負けないように、ご一緒させていただいている間は精一杯、心からの愛と感謝をもって、と思うのです。いつか必ず別れが来るのなら。
近々、わたくしは「ここでのけじめ(ひと区切り)をつけるために」、今、お逢いしなければならない方々に次々にお逢いしてまいります。いつここを離れてもいいように、今、お逢いしておかなければならない方々に、順番にお逢いしてゆくことに決めました。だから、既にわたくしの心は未来へと真っ直ぐ向かっているのです。そして、その未来には、輝くあの街が待っていてくれるのでした。
この地に「夢の翼が備わるまでは」と「あくまでも一旦」帰ってきて、早や7年。途方もないくるしみを重ね続けて、漸くこの境地にたどり着きました。今、お世話になっている場所を「卒業」させていただいたら、片っ端から要らないものをどんどん処分してゆくつもりです。いつでも身軽に旅立てるように。そして、新たな人生のステージに向かえるよう、様々な準備を既にし始めております。今まで本当に本当にくるしかったけれど。9月に底を見て、やっと上昇気流に乗ることが出来ました。
繰り返しになりますが、別れはいつも切なくかなしいもの、でも、その切なさがあるから、ひとは前に進めるのだと思います。前に進むということは、成長してゆくこと。魂はどこまでも成長し続けてゆくものですから、生きている限り、いえ、魂が存在し続けてゆく限り、別れはつきものです。でも、そのひとつひとつの別れをよき思い出に変えてゆけるよう、精一杯、その時々に与えられた環境で生きてゆくなら、人生は本当に素晴らしいものになってゆくのだと思います。わたくしがこの秋、思いがけなくいただいた素晴らしいチャンスのように。生まれ変わることだって、可能なのだと思います。
あと残り少ない今の日々を大切に。そして今日お見送りした方の未来を心から祝して。冬の始まりと共に、夜空に輝くオリオン座を満ち足りた気持ちで見上げるわたくし、璃いなのでした。

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