まったく生きるとは旅をするごとくである

十代、二十代も、それなりに面白いことはあったようにも思うが、やはり三十歳からの妙味にはとても及ばず、しかし、そんな光と影に彩られた味わい深い時間も、たった二巡りでもはや熟年、老後が視野に入ってくる。まったく生きるとは旅をするごとくである。実際に我が家は旅をし続けて、それはまだ終わっていない。

『実りの庭』 光野桃(みつの もも):著 文藝春秋 
2011年 227ページより

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