メイヴンになるということは教師になるということであり、だが同時に、生徒にな るということでもある

メイヴンで誤解してはならないのは、相手を説得するタイプの人間ではないということだ。アルパートの動機は、教え、助けることにある。けっして無理強いしたりはしない。実際、会って話していたときも、まずわたしがどの程度のことを知っているかを探り、自分の知らないことがあったらそれを膨大なデータベースに追加しようとしていると思える場面が幾度もあった。
メイヴンになるということは教師になるということである。だが同時に、むしろ強調されるべきことは、生徒になるということでもあるのだ。メイヴンは自分たちの知っていることを分かち合い、交換するという意味で、まさに情報ブローカーだといえる。しかし、社会的伝染が口火を切るためには、現実にかなりの人数が説得されて行動を起こすというきっかけが必要である。

『ティッピング・ポイント いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか』
(原題 "The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference" )
マルコム・グラッドウェル( Malcolm Gladwell ):著 高橋 啓(たかはし けい):訳
飛鳥新社 2000年 90ページより

広告