何よりも必要なのは、貧困層自身の視点から解決を創り出そうとする意思を持った 、道徳的リーダー

私も変わった。アフリカ、インド、パキスタンで二〇年以上仕事をし、貧困問題への解決策を進めるには、お手軽な感傷ではなく、規律、説明責任、市場の強さが必要だということを学んだ。貧困問題への答えの多くが市場と慈善の中間にあることを学び、何よりも必要なのは、壮大な理論やプランを押し付けるのではなく、貧困層自身の視点から解決を創り出そうとする意思を持った、道徳的リーダーだということを学んだ。
十分に耳を傾ければ、ほんとうのことを話してもらえるということも学んだ。そうでなければ、聞きたがっていると思われた話を聞かされることになる。
信頼にまさる通貨はなく、希望にまさる触媒はないことも学んだ。関係を築く上で、かたや迎合、かたや説教ほど害のあるものはない。だれでも、最も大切な特質として、深い人間的共感を育てるべきだ。その共感から、希望も私たちみなが生きる基盤も生まれる。

『ブルー・セーター 引き裂かれた世界をつなぐ起業家たちの物語』
ジャクリーン・ノヴォグラッツ( Jacqueline Novogratz ):著
北村陽子:訳
英治(えいじ)出版 2010年 385ページより

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