収入、あるいは収入を得る機会こそが、発展につながる

援助も、富の創出も、必ずしも広範な経済開発や貧困の撲滅につながるわけではない。サウジアラビアやナイジェリアなどの石油産出国で、人的・経済的な発展が遅れていることは、この議論を裏付けるものだ。同様に、海外の投資家が貧しい国々から天然資源や労働力を引き出して富を創造しても、それがその国の発展に寄与するわけではない。
収入、あるいは収入を得る機会こそが、発展につながる。それによって人々は、最低限の生活から抜け出し、貯金をし、投資し、生産することができる。収入があれば、最低限の生活を支えるのが精一杯の、小さく非生産的な土地から開放される。そして、公式な仕事がわずかしかなく非公式な仕事が大半を占める発展途上国では、自ら事業を立ち上げることで、こうした収入の機会が生み出される。

『グラミン・フォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換』
ニコラス・P・サリバン( Nicholas P. Sullivan ):著
東方雅美(とうほう まさみ),渡辺典子(わたなべ のりこ):訳
英治出版(えいじしゅっぱん) 2007年 242~243ページより

広告