「分かっていても、人にはどうにもならない運命がある。」

「分かっていても、人にはどうにもならない運命がある。……人だけじゃない。多分、組織にも、国にも、あるんだろうな」
最後に会った時、新吾はそう言った。その言葉が、今更のように胸に沁みた。新吾は今日(こんにち)あることを知っていたのだろうか?

『月下上海(げっかしゃんはい)』 
山口恵以子(やまぐち えいこ):著
文藝春秋 2013年 29ページより

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